2025.06.09

寝袋の洗濯はどうやる?初心者から中級者が知るべき手入れのすべて

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キャンプ愛好家にとって、心地よい睡眠を約束してくれる寝袋は、快適なアウトドアライフを左右する重要なギアです。

そして、寝袋はお手入れが非常に重要なアイテム。パッと見た感じだけでは分からなくても、使用後の寝袋は汗や皮脂、土埃、食べかすなど、さまざまな汚れが付着しているものです。

これらの汚れを放置すると、生地が傷んだり寝袋の機能が低下したりするだけでなく、衛生面でも問題が生じる可能性があります。

使用後は適切な手入れを行えば、寝袋の性能を維持でき長く快適に使用することが可能になるものです。

本ガイドでは、寝袋の素材に応じた正しい洗濯方法から、乾燥、保管に至るまで、初心者から中級者が安心して実践できる、詳細な手順と注意点を解説します。

お気に入りの寝袋と長く付き合うためにも、ぜひ試してみてください。

なぜ寝袋を洗濯するべきなのか?

寝袋はキャンプで快適に眠るための大切なアイテムですが、使用後に汚れが蓄積すると、次のような問題が発生することがあります。

● 臭いの原因になる

 汗や皮脂汚れ、食べかす、土などが付着したままにしておくと、不快な臭いを引き起こします。

● 雑菌が繁殖する原因になる


汚れが付いたままや湿気を乾かさずに何度も使用すると、雑菌が繁殖して「虫食い」の原因になることもあります。

● 衛生状態が悪化する

汚れが蓄積するとダニやカビが発生しやすくなり、アレルギーや皮膚トラブルの原因となります。

保温性が低下する

寝袋の中綿に汚れがつくと、ダウンや化繊のロフト(かさ高)が損なわれ、空気を閉じ込める能力が低下します。これにより、寝袋の保温性が大幅に減少します。

定期的な洗濯を行うことで、これらの問題を防ぎ、寝袋の性能を長期間維持することができるでしょう。

寝袋の素材別洗濯方法:基本と注意点

寝袋には「ダウン(羽毛)」と「化繊(化学繊維)」という2種類の素材があります。それぞれの素材に応じた適切な洗濯方法と乾燥方法を理解して、正しくお手入れしましょう。基本的には、洗濯する前に寝袋についている洗濯表示タグは必ず確認してください。

ダウン寝袋の洗濯方法

1. 手洗い

ダウン寝袋は非常にデリケートなので、手洗いが推奨されます。洗剤は必ずダウン専用洗剤を使用し、ダウンの天然油分を守ることが重要です。

バスタブにぬるま湯を張り、適量のダウン専用の洗剤を溶かして寝袋を沈めます。空気を抜きながらゆっくりと優しく押し洗いをし、汚れを浮かせます。その後、数回すすぎを繰り返し、洗剤を完全に洗い流します。

【注意するポイント】

「汚れが落ちていないかも!」とついつい、ギュウギュウと押したり揉んだりしてしまいがちですが、ダウン素材の場合は羽毛が折れる恐れがあります。揉み洗いやかき混ぜたりしないように、優しく洗ってください。

2. 洗濯機を使う場合

洗濯機を使用する場合も、必ずダウン専用の洗剤を使い「洗濯ネット」に入れて弱水流のモードで洗いましょう。水温は30℃以下で、なるべく冷水またはぬるま湯を使用します。高温で洗うとダウンが縮んでしまう恐れがあるので注意してください。

【注意するポイント】

手洗いでも洗濯機でも基本は「優しく取り扱うこと!」。必ず、手洗いモードやおしゃれ着モードなどの優しいモードになっていることを確認してからスイッチを押しましょう。また、「洗濯ネット」に入れたほうが安全です。

「洗濯ネット」は寝袋が他の衣類と絡まってしまうことを防ぎ、デリケートな生地を守ることができます。ピチピチサイズのネットに押し込むのではなく、ある程度余裕のある「大きめ」の洗濯ネットを使い、寝袋を「裏返しにして」から入れてください。

できれば、ドラム式洗濯機を使用するのが理想的です。粉末洗剤や柔軟剤は避けるようにしましょう。

化繊寝袋の洗濯方法

1. 手洗い

化繊寝袋はダウン寝袋よりも扱いやすいため、手洗いで洗浄できます。けれども力を込めて押したり擦ったりするのはNGです。ぬるま湯に中性洗剤を溶かして優しく押し洗いしてください。

2. 洗濯機を使う場合

化繊寝袋は、ダウンと同様手洗いモードやおしゃれ着モードで洗濯機を使用できます。こちらも洗剤は中性液体洗剤を使用し、洗濯ネットに入れて優しく洗いましょう。

【注意するポイント】

化繊は、ダウンほどは気を遣わなくて済みますが、それでも「優しく取り扱うこと」は共通しているので、丁寧に扱ってください。

寝袋を洗濯する前の準備

寝袋を洗う前に、いくつかの準備を行うことで、より効果的に洗浄ができ、寝袋の損傷を防ぐことができます。

まずポケットの中身を確認

まず、洗濯前に寝袋のポケットなどに入っているものはすべて取り出しましょう。ティッシュや紙切れなどが入ったまま洗うと、ちぎれてゴミとなり寝袋に付着してしまいます。また、鍵など金属製の硬い小物が残っているまま洗ってしまうと、寝袋や洗濯機を傷つけることもあるでしょう。

ジッパーなどは閉じる

また、寝袋のジッパーはしっかりと閉じ、ベルクロ(マジックテープ)も留めてから洗濯を行うと、洗濯中の損傷を防げます。

部分洗い(シミ抜き)の方法

寝袋全体を洗う前に、目立つシミや汚れがあるかどうか確認してください。もし目立つ汚れがある場合は、部分洗いを行うと効果的です。

洗剤を薄めた水を使用し、汚れ部分を優しく叩いて汚れを浮かせます。強く擦ると生地を傷めることがあるので、力を入れ過ぎないように注意してください。

寝袋の洗濯は乾燥が最も重要

寝袋の乾燥は最も重要です。適切に乾燥を行わないと、カビや臭い、ロフト(膨らみ)の低下を招くことがあります。

乾燥機を使う場合

基本的にダウンの寝袋は、洗濯機の使用は基本NGですが、乾燥機の使用はOKです。季節や天候にもよりますが、自然乾燥のみだと、完全に乾燥するまで数日間かかってしまうことも。

もし乾燥機がない場合、何日も洗濯物干しを寝袋に占領させておくわけにもいかないので、近くにコインランドリーがあれば利用して、おおかた乾燥させてから干すのがおすすめです。

 低温設定で乾燥し、必ず「テニスボール」を一緒に入れて乾燥させましょう。テニスボールがダウンの塊をほぐし、ロフトを回復させます。

乾燥機がない場合

乾燥機がない・近くにコインランドリーがない場合は、まず大きめのバスタオルを押し当てて、タオルドライをして水気をできるだけ取り除いてから干すようにしてください。

日光による色あせや変色を防ぐためにも、風通しの良い日陰で平干しをしましょう。ファスナーは開けて裏返したまま干すのがポイントです。

完全に乾燥するまで時間がかかるので、途中で表面が乾いても「もういいや!」とやめてしまわないでください。

中まで完全に乾かさないと菌が増殖しニオイの元やカビの原因になるので、時間がかかってもしっかりと乾燥させるようにしましょう。

干しっぱなしのまま放置せずに、ときどき寝袋を振ったり手でほぐしたりしてダウンの偏りを防ぐことが大切です。

キャンプ用のコットや長椅子があれば、その上に広げて干すのがおすすめです。

外に干す時は「天候」にも注意を

洗った寝袋をベランダや庭で干すときには、「天候」にも注意してください。せっかく乾いてきたのに突然の雨で濡れてしまっては、またいちからやり直しになってしまいます。

もし干している間に外出する場合、降水確率を調べて、雨の可能性0%ならそのまま、小雨でも降る可能性があるなら、家の中に干しましょう。

椅子と椅子の間や家具にかけたりして、できるだけ大きく広げて室内干ししてください。

以下の動画では、実際に寝袋を洗濯する様子を解説しています。ぜひ参考にしてください。

よくある寝袋洗濯の失敗とトラブル対策

寝袋を洗う際によくある失敗や問題を解決するための対策を紹介します。

ダウンが偏る・固まる

乾燥不足の場合、ダウンが固まり、ロフト(膨らみ)が回復しません。テニスボールを使って乾燥機で再度乾燥するか、手でほぐしてあげることが必要です。

臭いが残る

ダウン専用の洗剤でも中性洗剤でも、多すぎると洗剤が残ってしまいます。洗剤残りやすすぎが足りないと、ロフトの低下を招いたり臭いが残ることがあります。

すすぎは丁寧に行い、乾燥も十分に行うことが大切です。

必要に応じて重曹を使って臭いを取ることも可能ですが、素材を傷めないように慎重に行いましょう。

洗濯後の寝袋の保管方法と長期的なケア

寝袋の機能を長持ちさせるためには、洗濯後の保管方法も重要です。

乾燥後の保管方法

洗濯して完全に乾燥した寝袋は、圧縮袋にギュウギュウにして入れたまま長期保管するのは避けましょう。圧縮してしまうと中綿が潰れ、ロフトが回復しにくくなります。

できれば通気性能や湿度調整機能があるコットン素材の大きめの袋に、ゆったりめに入れるのが理想的です。

長期保管時の注意点

保管場所は洋服や布団などが詰まっていて、風通しの悪いクローゼットや押入れではなく、できるだけ湿気が少なく温度が安定している場所を選びましょう。

風通しの悪い場所なら、時々扇風機やサーキュレーターで風を当てるのもおすすめです。

しばらく使用しない時でも、保管場所に入れっぱなしにしないで、定期的に保管バッグから出してソファーやベッドの上に広げて湿気やこもった匂いを飛ばすようにしてくだ

自分で寝袋を洗濯できない場合はクリーニングも!

手洗いにしても洗濯機にしても、寝袋を洗濯して完全に乾かしてから保管するまでには、それなりに手間と時間と場所が必要です。

もし、自分で洗濯する自信がない、乾燥させる場所がないなどの場合、そのまま放置するよりは、最終手段としてクリーニングを利用する方法もあります。

ダウンの寝袋の場合、メーカーが独自に「寝袋のクリーニングサービス」を行っていることもあるので調べてみましょう。また、寝袋専門のクリーニング店や、一般の大手クリーニング店でも寝袋のクリーニングを扱っている店もあります。

多少お金はかかりますが、手間も時間も節約できるので便利です。

寝袋の洗濯に関するよくある質問とトラブルシューティング

Q: 寝袋の洗濯頻度はどれくらいが適切ですか?

寝袋は使用頻度に応じて年に1〜2回の洗濯が目安です。汗をかきやすい春夏シーズン後や、長期間使用した後は、目立った汚れがなくても洗うことをお勧めします。

Q: ダウン寝袋が乾燥してもロフトが戻らない場合はどうすればいいですか?

テニスボールを使って乾燥機で再度乾燥を行い、手でほぐすとロフトが回復します。

Q: キャンプ場で袋に片付けた寝袋は、そのまま保管場所に片付けてもいいですか?

寝袋は特に汚れていなくても、使った後はできるだけ干して乾燥させましょう。特に雨や露などで濡れなくても、キャンプから戻ったら一度袋から取り出して室内で広げて干してから片付けるのがおすすめです。

まとめ:大切な寝袋は自分で丁寧な洗濯を!

寝袋の洗濯は、適切な方法を守ることで、長期間快適に使用できます。今回、ご紹介したように、ダウン寝袋と化繊寝袋は洗濯方法が異なり、特にダウン寝袋はデリケートに扱う必要があります。

そして、肝心なのは徹底的な乾燥が必要なこと!乾燥が不十分だとカビや臭いの原因になるので焦らず面倒がらずに根気よく完全に干すことが大切なのです。

さらに、乾かしたらおしまい!ではなく保管方法や長期的なケアを実施することで、寝袋の寿命を延ばし、その保温性を維持することができます。

寝袋は、キャンプの夜を快適に過ごすための重要なパートナーです。

このガイドを参考にして、寝袋を常に清潔で快適な状態に保ち、次のキャンプに備えましょう。