MICRO KITCHEN BOX開発者たちの物語
憧れのバンライフをひと箱に。
“車に積みっぱなしにできる” “持ち運べる”小さなキッチン
開発背景
マイクロキッチンボックスは、「車に積んでおける、小さな移動式キッチン」という発想から生まれました。
キャンプ道具にプラスしてキッチン道具一式をそろえると、積載はどうしても大掛かりになります。
収納ケース、テーブル、バーナー、コーヒー道具。
便利さを求めるほど道具は増え、準備や片付けにも手間がかかってしまいがちです。
さらに、日常的にキャンプ道具を使う人ほど、道具を自宅に忘れてしまったり、車に積みっぱなしだったりといった管理上の不便さも生まれます。
そこで考えたのが、“用途を絞る”という発想でした。
料理をフルで行う大型キッチンではなく、コーヒーやお茶を淹れ、外で少し過ごすための機能に限定する。
そうすることで、車に積みっぱなしにできるサイズ感と、日常的に持ち出しやすい構造を両立できるのではないかと考えました。

「小さなキッチン」という設計
自然の中で気軽に過ごすスタイルは広がっている一方で、実際に始めようとすると、道具選びや収納には意外と悩まされます。
「できるだけ手軽に持ち出したい。でも、最低限の調理やコーヒーはちゃんと楽しみたい。」
そうした視点から考え始めたのが、“必要な道具をひと箱にまとめ、すぐ使える状態にしておく”という発想でした。すると見えてきたのが、収納性・使い勝手・サイズ感のバランスの難しさ。
収納性を優先すると、テーブルとして使いにくい。
テーブル性を重視すると、収納効率が落ちる。
機能を増やすほど、重量やサイズが大きくなる。
「必要な機能をどうまとめるか」という視点から考えたとき、機能を積み重ねるだけではなく、構造そのものを見直す必要があると考えました。
そこで、マイクロキッチンボックスでは、収納箱・スタンド・テーブル・バーナー置き場を、それぞれ別々の役割として足していくのではなく、最初からひとつの構造として設計。
「どこでも小さなキッチンを展開できる道具」を目指し、サイズ感、使い勝手、収納性のバランスをゼロベースで見直していきました。
そうしてたどり着いたのが、“車に積みっぱなしにできる、小さなキッチン”という発想です。
必要な道具をひと箱にまとめ、開けばすぐ使える。準備や片付けに気を取られすぎず、景色や時間そのものを楽しめる体験を形にすることを目指しました。
箱・スタンド・テーブルを“別々”にしないという発想
「車に積みっぱなしにできる小さなキッチン」を考えた時、最初に課題になったのは、必要な機能をどう成立させるかでした。
収納箱、スタンド、テーブル、バーナー置き場。
本来であれば、それぞれ独立した役割を持つものです。しかし、それを組み合わせていくと、サイズや重量が増え、持ち出しにくくなる。
開発では、最初から一つの構造として成立させる考え方を採用しました。
ベースとなったのは、道具を収納するボックスです。その外側にフレームを沿わせ、普段は収納され、使用時には展開してスタンドとして機能する構造に。
さらに、蓋は取り外して裏返すことでテーブルとして使えるよう設計しました。
加えて、中間板をフレームに固定することで、バーナーをテーブルより一段低い位置に配置できるようにしています。ここにも理由があります。バーナー位置を下げることで重心が安定し、調理時の安心感につながるだけでなく、道具全体の見え方もすっきりするからです。
また、中間板は高さを2段階で変更でき、横幅も調整可能。CB缶タイプ・OD缶タイプ双方のシングルバーナーに対応できるよう、使う道具に合わせた柔軟性も持たせました。
こうした構造によって、収納箱・スタンド・テーブル・バーナー置き場が、それぞれ独立した機能ではなく、互いに作用し合うひとつの仕組みとして成立。さらに、内部にはカップやカトラリー、バーナー、ケトルなどをまとめて収納できるよう構成し、「開けばすぐ使える」状態を目指しました。

最大の課題は“軽さ”だった
構造そのものは、比較的初期段階から成立できたものの、最初の試作品には″重い″という課題がありました。
初期サンプルは約4kg近くあり、持ち運びの気軽さとはかけ離れていました。

「車に積みっぱなしにできるサイズ感」であっても、気軽に持ち出せなければ意味がないと考え、徹底した軽量化に取り組むことになりました。
しかしながら、軽くすれば強度が落ちる。強度を優先すれば重量が増える。
さらに、すべてをアルミ化すれば価格が上がりすぎてしまう。葛藤の中、そのバランスを取るため、パーツごとに素材を見直していきました。
バーナースタンド部分には軽量なアルミ。フレームには強度を優先してステンレス。さらに、板厚の調整、リブ追加、肉抜き加工などを細かく繰り返しながら、必要な強度を維持したまま重量を削っていきました。
小さな改善を積み重ねることで、全体のバランスを整えていきました。
その結果、製品重量は約2kgまで軽量化することができました。

実際に使うことで見えてきた改善点

開発では、実際の車載やフィールド使用も繰り返し検証しました。
その中で、車内へ積み込む際に「車を傷つけないか」と気を遣う場面があることが分かり、角の金属パーツを樹脂パーツに変更したほか、脚部には丸みを持たせた樹脂パーツを配置。さらに、上面には線材フレームを設け、車体との干渉リスクを抑える細かな調整を行いました。
また、線材フレームが先に接触する構造とすることで、車体への接触リスクの軽減も図っています。
加えて、使用時にバーナーの点火や火力調整がしやすいよう、短辺側の開口部を広げたり、側面フレームの高さを見直したりと、細かな仕様変更も実施しています。

どれも派手な機能追加ではありませんが、「日常的に使いたくなるか」を左右するのは、こうした小さなストレスをどれだけ減らせるかにあると考えました。
たどり着いた“小さな移動式カフェ”という答え

「車に積んでおける、小さな移動式カフェ」という考え方。その答えとしてたどり着いた形が、マイクロキッチンボックスでした。
大掛かりなキャンピングカーや特別な装備がなくても、普段使いの車に積んでおき、必要な時だけ取り出して使う。そんな“日常の延長にある外時間”を、もっと気軽に楽しめる道具として形にしています。
想定したのは、ドライブ途中の休憩やデイキャンプといったシーンです。景色の良い場所でコーヒーを淹れる。お湯を沸かしてお茶を飲む。軽食をつくり、少しだけ外で過ごす。そうした時間に必要な道具を、ひと箱にまとめました。
サイズは車載を前提に設計し、収納時は約W360×D295×H200mm。軽自動車のラゲッジにも収まる寸法に調整しています。
特別なキャンピングカーがなくてもいい。
大掛かりな装備がなくてもいい。
車に積んでおき、景色の良い場所でコーヒーを淹れる。
ドライブの途中で少し休憩する。
キャンプでは、そのままサイトへ持ち込んで使う。
また、MFT マルチフレームテーブルと組み合わせることで、普段車載しているコーヒーセットを、そのままキャンプサイトへ展開するような使い方も可能です。


キャンピングカーや常設キッチンではなく、「必要な時だけ車から出して使う」。その前提で構成したことも、この製品ならではの特徴です。
開発者メッセージ
マイクロキッチンボックスは、「特別な装備がなくても、もっと気軽に外で過ごす時間を楽しめないか」という発想から生まれました。
バンライフには、景色の良い場所でコーヒーを淹れたり、お茶を飲みながらゆっくり過ごしたりする、“小さな移動式カフェ”のような魅力があると思っています。
「車に積みっぱなしにできる」「持ち出しやすい」「開けばすぐ使える」を両立しながら、収納・スタンド・テーブルをひとつの構造にまとめ、日常の延長で使える道具として形にしていきました。
ドライブの途中、少し景色の良い場所でコーヒーを淹れる。お湯を沸かしてひと息つく。キャンプだけではなく、普段の外出の中でも、自然の中で少し過ごす時間をもっと気軽に取り入れてもらえたら嬉しいです。
マイクロキッチンボックスが、そんな時間のきっかけになればと思っています。
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