キャンプ用寝袋/シュラフ
キャンプに寝袋(シュラフ)って必要?使い道や選び方を紹介
キャンプ用寝袋(シュラフ)とは?
宿泊キャンプには欠かせないアイテムが「寝袋(シュラフ)」です。テント内やコットの上で夜寝るときの布団として使用します。
これ1つで敷布団と掛け布団を兼ね、家庭用の布団と違って軽い・コンパクトになる・携帯しやすいのが特徴です。
キャンプ用寝袋(シュラフ)は、国内外のアウトドアメーカーからさまざまな種類・サイズが発売されています。あまりにも多くの種類があり、どれを選んでいいのか迷ってしまう人は多いでしょう。
そこで、キャンプ用寝袋(シュラフ)の使い道・選び方などの基礎知識や、併せて使用すると便利なアイテムなどを紹介します。ぜひ参考にしてください。
キャンプ用寝袋(シュラフ)の使い道
寝袋(シュラフ)は、アウトドア・登山・キャンプで宿泊するときに使うのが一般的ですが、家や車などでも活躍するのはご存じでしょうか。
①キャンプや登山泊
シュラフは、主に宿泊キャンプ・登山のときの寝床として使用します。さらに、広げられるタイプはテント内に敷いたり、コットの上に敷いたりして昼寝をするときにも便利です。
寒いときは、椅子に座るときに下半身だけを寝袋の中に入れると、膝掛け代わりになります。
②車中泊にあると便利
テントを設営するキャンプよりも、気軽にアウトドアを楽しめるのが車中泊。そのときに便利なのが、シュラフです。
軽量でコンパクトになるため、持ち運びも苦にならず、畳んでも普通の布団よりスペースをとらないのがメリットです。
③来客用の布団にもなる
シュラフは家でも使えます。来客用の布団一式を用意しようと思っても、押入れの中は家族の分だけで収納スペースがない!ということも多いですよね。
シュラフなら小さくなるので、ちょっとした空きスペースに収納できます。
④防災グッズとしても活躍する
地震や災害の多い日本では、いざというときに備えて防災グッズを準備しておく必要があります。もし避難所生活をすることになった場合、シュラフを持っていれば、そのまま床に寝るよりは体も楽でしょう。
普段は畳んで、ほかの防災グッズと一緒に収納しておくと安心です。
キャンプ用寝袋(シュラフ)の選び方
シュラフは多くの種類があるため、いざ買おうと思っても迷ってしまうものです。
購入する前に知っておきたい選び方のポイントを5つ解説します。
選び方①まずは種類をチェックしよう
まず知っておきたいのが、市場で販売されているシュラフにどのような種類があるか……ということです。
基本的には、封筒型・マミー型・エッグ型があります。さらに、寝袋の中に入れることで保温性を高めるインナーシュラフも持っていると、気温が低い季節に便利です。
-封筒型
封筒型とは、その名前の通り、紙の封筒のように上から下まで同じ幅の「長方形の袋状」になっているシュラフです。
横にファスナーが付いているので広げることができ、暑いときは足元を開けて温度調節も可能です。
体に密着しないため、普通の布団に近い感覚で寝返りを打てるのもメリットですが、空間にゆとりがある分、保温性も落ちます。
同じモデルを2つ繋げてダブルサイズにすることもできて、ファスナーを完全に開けば、ワイドな掛け布団や敷布団に変身。
キャンプ初心者や小さなお子さん連れのファミリーキャンプにおすすめです。
-マミー型
マミー型とは、エジプトのミイラ(Mummy/マミー)のように、体全体のシルエットに沿った形をしているシュラフです。
体にフィットするため無駄な空間がなく、体温が保たれるので保温力をキープできるのがメリット。気温の低い冬のキャンプ・標高の高い山への登山キャンプにぴったりです。
封筒型よりは軽くコンパクトに畳めるため携帯性にも優れています。
ただし、体への密着度が高いために寝返りができず身動きもしづらいので、ある程度慣れてからでないと眠れないかもしれません。
-エッグ型
エッグ型は、角のない卵形をしたシュラフです。封筒型とマミー型寝袋のいいところ取りをしたハイブリッド型といえるでしょう。
頭部と足元は角を落として円形にすることで保温力をアップ。胴部分は広めでゆとりのあるデザインなので寝心地も快適です。
マミー型と同様に収納もコンパクトにできるので、ソロキャンプやツーリングキャンプにも向いているでしょう。
-インナーシェルフ
インナーシュラフとは、シュラフの中に入れて使用する寝具です。入れると「寝袋内の温度が約5℃上がる」といわれているほどで、寒い冬キャンプでもゆっくり寝ることができるでしょう。
また、気温が高い夏時期には、インナーシュラフ1枚で寝ることも可能です。
吸湿性があり、就寝中にかいた汗を吸い取ってくれるため、寝袋(シュラフ)が汚れるのを防ぐ働きもあります。
選び方②サイズは体格に合わせた大きさを
シュラフは、自分の身長や体格に合ったものを選ぶ必要があります。種類ごとにおすすめサイズを解説していきます。
【マミー型】
「適正身長」という表記があるので、自分の身長にプラスして5〜15cmくらいの大きめのサイズを選びましょう。ただし、大きすぎると余分な空間ができ保温力が下がってしまいます。
- ロング: ~195cm(体が大きい男性)
- レギュラー: ~180cm(一般的な男性)
- ショート: ~165cm(小柄な人・女性)
【封筒型】
封筒型は、シングル・ダブルと表記されています。基本的にはシングルサイズで問題ないでしょう。同じメーカーの同じ種類なら2つ連結すればダブルサイズになります。
- シングル:大人1人位
- ダブル:大人2人・子ども1人位
選び方③中綿の素材は主に2種類
シュラフの中綿の素材は、化学繊維とダウン(羽毛)の2種類があります。
-化繊
化学繊維(化繊)の魅力は、耐久性も保温力も高いのにリーズナブルなことです。キャンプ初心者やファミリーキャンプで人数分購入しなければならないときにぴったりでしょう。化繊には3種類あります。
【ホローファイバー】
「中空繊維」とも呼ばれる、繊維の内側がマカロニのように中空になっている化繊です。中空になっている分だけ、軽量で乾きやすいというメリットがあります。
【マイクロファイバー】
髪の毛の100分の1以下の細さの極細繊維です。ホローファイバーよりも高い保温性と蒸散効果を持ち柔らかいのが特徴で、軽くてコンパクトになります。
【ウルトラファインファイバー】
マルチレイヤー(多層)構造なので耐久性の高い繊維です。速乾性もあるためシュラフを繰り返し丸洗いしても大丈夫なのが特徴です。清潔を保つことができます。
-ダウン
ダウンは、水鳥の羽毛を用いたものです。大きく膨らんで空気の層を作れるので保温力が高いのが特徴。また、軽量・コンパクトなので保管や携帯も楽です。
ただし、化繊と比べると水濡れに弱く、メンテナンスの手間もかかり価格も高いというデメリットがあります。自宅で洗うのは難しいのでクリーニングに出す必要があります。
ダウンの品質は「FP(フィルパワー)」で表記されています。FPは、ダウンの反発力・復元力(ふくらむ力)を表す数値です。
数値が高いと「少ない量のダウンで多くの空気を含むことができる」ので、軽くコンパクトになり、保温性に優れる寝袋ということになります。
一般的には、600〜700フィルパワーのものが良質ダウンで、700以上のものは高品質ダウンとされています。
選び方③キャンプに行く季節によって「使用温度目安」が変わる
シュラフには、使用温度目安(メーカーによって「使用可能温度」「快適使用温度」「コンフォート温度」など表記はさまざま)が記載されています。
目安としては「製品に記載されている温度+5℃くらい」と考えるといいでしょう。たとえば、使用温度目安10℃と記載されてあれば、15℃くらいの季節(春3月〜4月と秋10月〜11月)と場所で使用するのに適しています。
また、使用温度とは別に「使用限界温度」「最低使用温度」などと記載されていることも。その数値以上を上回ったり下回ったりすると使用しないほうがいいという目安だと思ってください。冬用の寝袋記事も参照ください。
選び方④コンパクトに収納できると持ち運びしやすい
キャンプや登山などで持ち歩きたい場合は、できるだけコンパクトにできるシュラフがおすすめ。
コンパクトになる寝袋の基準は……
- 封筒型よりマミー型
- 収納時サイズの目安は、高さ30cm幅15cmほどのもの(2リットルペットボトルと同じくらい)
- 中綿はダウンのほうがより軽く小さくなる
一般的にシュラフには収納用バッグが付いていますが、寝袋を圧縮して収納できる「コンプレッションバッグ」があると、さらにコンパクトにできます。
キャンプ用寝袋(シュラフ)と合わせて使いたいアイテム
シュラフをより快適に使うためには、「マット」と「コット」があると便利です。
マット
より快適に寝るために使いたいのが「マット」です。テントと寝袋の間にマットを敷くと、地面の凸凹を吸収してくれるため、背中や腰が痛くなるのを防ぎ、地面からの熱や冷気もカットしてくれます。
広げるだけですぐに使える発泡マット、マットのバルブを開けると空気を自動的に取り込んで膨らむインフレータブルマット、電動ポンプや手動で空気を入れて膨らませるエアーマットなどがあります。
コット
コットとは、ベンチ型の簡易ベッドのことです。折りたたみ式の脚を開くだけなので設置も簡単。コットの上にシュラフを乗せれば、地面から離れられ、凸凹した不快感や熱・冷気も防ぐことができます。
夏場はコットの座面がメッシュ素材のものを使えば、シュラフとコットの間に溜まる熱を外に逃し、外の風も入るので快適に眠ることができるでしょう。
枕
シュラフにキャンプ用の枕を使用すると、肩・首・頭が疲れずに快適に眠れます。
- 手動で空気を入れる「セルフインフレータブルタイプ」
- 自動的に膨らむ「インフレータブルタイプ」
- そのまますぐ使える「スポンジタイプ」
- 袋状で中に衣類やタオルを入れて使用する「スタッフサックタイプ」
の4種類があります。自分が心地よいと感じるものを選びましょう。
"NANGA×TOKYO CRAFTS"の別注スリーピングバッグ
信頼と実績を誇るスリーピングバッグ・メーカー"NANGA"と”TOKYO CRAFTS”がコラボして誕生した「オーロラスクエアフット 750 700FP」。
マミー型と封筒型のいいところを融合させた、スクエアフットのハイスペックモデル/限定デザイン仕様です。
表地にはNANGAの独自素材の「オーロラテックス®」を使っており、高い強度を誇ります。また、ダウンには環境配慮型のエコ素材「リサイクルダウン」を使用しています。
対応温度は、-6℃~-14℃の厳寒下限温度までで、羽毛のかさ高は700FPと高い保温性能を発揮。ファスナーを全開で布団として、2つ連結して2人用シュラフとしてなど、マルチに使えるスリーピングバッグです。
自分に合うキャンプ用寝袋(シュラフ)を選ぼう!
キャンプで大切なのは、「夜にいかに快適に寝れるか」です。
キャンプ用寝袋(シュラフ)は、値段や雰囲気だけで選ばず、今回紹介したポイントも確認しつつ比較検討してください。
ぜひこの記事を読んで、自分にぴったりな製品を選んでくださいね。