OGNISDOME開発者たちの物語
焚き火を愉しむ、ドームシェルター
夜の静寂の中で薪がはぜる音、柔らかい炎の揺らめき。こうした焚き火の醍醐味を、より身近に楽しめるシェルターを作り上げたい。そんな想いから新しいテントの開発が始まりました。
開発背景
キャンプの楽しみ方が多様化する今、私たちが見つめたのは「焚き火」という、最も原点的で、最も人の心を惹きつける時間でした。焚き火を眺め、“火のそばに暮らす”という贅沢を形にしたい想いから、ドーム型シェルター「オグニスドーム」の開発は始まりました。
焚き火を楽しむテントは、火に強いTC(ポリコットン)素材を使うのが一般的です。しかし、TCは重量があり、フルクローズできる大型シェルターにすると、持ち運びや設営が大きな負担となってしまいます。
一方、軽量なポリエステル素材は火の粉に弱く、焚き火のそばでは使いづらい。 加えて、ソロやデュオ向けドームテントの多くは高さ1.5m前後で、立つことも腰を伸ばすことも難しい構造が主流でした。
「焚き火をもっと近くで、快適に楽しみたい。」
そのシンプルな願いを叶えるためには、軽量性・耐火性・快適性という相反する3要素をすべて両立させる必要がありました。これが、私たちにとって最大の挑戦であり、開発の出発点でした。
この形ができるまで
まず私たちが取り組んだのは、「軽量化」でした。その追求の先でたどり着いたのが、3本フレームの採用です。
一般的なドームテントは、4本以上のポールで円形を描きながら組み上げます。
しかしオグニスドームは、わずか3本のポールで自立。上から見ると「V字」を描く2本のメインポールを後方で交差させ、その上を横断するようにサブポールを通すことで、内部の高さを確保しながら、美しい曲線を描く独自のフォルムを生み出しました。

この“V字×交差構造”によって、強度・軽量性・快適性を同時に実現。特許出願にも至ったこの設計は、設営時間の短縮にも大きく貢献しています。キャンプサイトに到着してからわずか数分で立ち上がる、機能美に満ちたフォルムが完成しました。
次に挑んだのが、焚き火の熱と火の粉に耐えながらも軽量性を損なわない素材選び。
幾度も議論とテストを重ね、最終的にたどり着いたのがハイブリッド構造でした。
前方の跳ね上げパネルには火に強いTC生地(ポリコットン)を、本体部分には軽量で耐水性のある75Dポリエステル・リップストップ生地(耐水圧2,000mm)を採用。 これにより、前方では安心して焚き火を楽しみながら、本体は雨や夜露に強く、軽やかな設営が可能となりました。
素材の特性を掛け合わせるという新しい発想が、焚き火シェルターの常識を塗り替えました。
辿り着いた形
完成したオグニスドームは、天候を選ばない二重構造を備えています。
この二重構造は、TOKYO CRAFTSの革新的シェルターテント「ウィングフォート」で培った技術を応用したもので、跳ね上げたままでもシェルターの窓をすべて閉じられる構造になっています。
前方パネルは「フルオープン」「メッシュ」「フルクローズ」の3段階切り替えが可能で、 季節や天候に合わせて自在に空間を変化させられます。




内部サイズは370×360×190cm。ソロでは贅沢に、デュオでも圧迫感なく過ごせる広さを確保。
耐風テストでは最大風速25m/sをクリアし、高い安定性を実現しました。 それでいて重量はわずか13kg。専用バッグに収まる携帯性で、設営・撤収の負担を大幅に軽減しています。

居住空間の設計にも細やかな工夫を凝らしました。前方にはチェアとテーブルをゆったり配置でき、後方にはコットを八の字に並べることで、就寝スペースと出入口を分けた快適な動線を確保。

さらに、後部の三角パネルで通気と収納を両立し、巻き上げ式スカートで換気と防寒を自在に切り替えられます。内部のランタンフックやメッシュ収納など、細部まで使いやすさを追求しました。



3本のフレームが描く流線型のフォルムは、見る角度によって表情を変え、自然の中に美しく溶け込みます。
「オグニスドーム」は、火のぬくもりを感じ、自然とつながる時間をつくるためのシェルター。焚き火を囲みながら、自分だけの居場所をつくる、そんなキャンプの本質を体現しています。


焚き火をもっと近くに。
自然をもっと深く感じられる時間を。
「オグニスドーム」は、キャンパーの理想と、私たち開発者の情熱がひとつになって生まれた、焚き火を愉しむための“究極のドームシェルター”です。
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