2025.06.12

バックパックで行くキャンプのパッキング術!バックパックのメンテナンスまで紹介

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徒歩や公共交通でキャンプ場へ向かうソロキャンパーにとって、バックパックスタイルは自由度の高いスタイルです。ところがリュックの選び方を誤ったり、パッキングの重心がずれるだけで行動中の疲労は倍増し、設営前に体力を使い果たしてしまうことも珍しくありません。

本記事では初心者~中級者が抱えやすい「容量はどれくらい必要か」「どう詰めれば重く感じないか」「季節ごとの装備はどう変わるか」「ザックのお手入れは?」といった疑問を、具体例とともに解決していきます。

キャンプ用バックパックの選び方の基準

リュックは一度買えば数年は使うメインギアです。ここで紹介する五つの基準を押さえて選ぶだけで、背負い心地とパッキング効率が劇的に向上します。

容量と泊数の目安で選ぶ

春夏の日帰りや超軽量装備なら20〜30リットルで十分ですが、一泊のテント泊では30〜45リットルが標準となります。冬キャンプや連泊では防寒着と燃料が増えるため45〜60リットルを想定してください。ウルトラライト志向の場合は装備総重量(ベースウェイト)を7キログラム以下に抑えれば30リットル前後でも快適に歩けます。

背負い心地とフィット調整で選ぶ

快適さを左右するのは自分の胴の長さに合った背面長です。首の付け根の第七頸椎から腰骨の頂点までを測り、その長さに合わせてトルソー調整機能があるザックを選ぶと肩への荷重が減ります。ウエストベルトは腰骨の上に乗せるのが基本で、チェストストラップは鎖骨中央の少し下を水平に締めると肩の開きを防げます。小柄な方や女性はショートトルソーやレディースモデルを選ぶとフィット感が上がります。

耐久性・防水性素材で選ぶ

リップストップナイロン210デニールクラスは摩耗に強く、一般的なキャンプ使用なら十分な耐久性があります。より軽さを求めつつ強度を落としたくない場合は X-PAC やダイニーマコンポジットファブリックといった積層生地が有効です。突然の雨に備えて生地自体の撥水加工に加え、止水ファスナーや付属レインカバーの有無もチェックしておきましょう。

収納性と拡張性で選ぶ

トップローディングのみのザックはシンプルで軽量ですが、下層の荷物を取り出しにくい欠点があります。フロントジッパーやボトムアクセスを備えたモデルなら設営で最初に使うテントやグラウンドシートをスムーズに出せます。外付け用のデイジーチェーンやギアループがあれば、断熱マットや濡れたレインウエアを吊るして乾かすことも可能です。

軽量化とUL対応モデルで選ぶ

体重の一割を超えるザック自重は、長時間の歩行で疲労感が急増すると登山医学の調査で報告されています。フレームレスの超軽量モデルは背面パッドを兼ねたマットや衣類で内部に芯を作り、荷重を分散する工夫が必須です。ギアの軽量化と背負い心地のバランスを取り、試しに一キログラム単位で総重量を減らすと歩行時の快適さが数字以上に体感できます。

以下の動画でも、おすすめのバックパックを紹介しています。ぜひ参考にしてください。

キャンプ用バックパックのパッキング基本ルール

正しいパッキングは重心、圧縮、アクセス性の3つの要素で成り立ちます。ルールを守ることで移動中のバランスが安定し、キャンプサイトでも素早く設営に移れます。

重量バランスを考える

水やクッカーなど最も重いギアは肩甲骨のやや下、背骨沿いに縦方向で配置すると体幹に近い位置に重心が集まり、歩行中にリュックが左右に振られません。左右の荷重差が二百グラムを超えると長時間の歩行で片側の肩が張るため、装備を詰め終えたら一度リュックを両手で持ち、水平が取れているか確認します。

エリア別に使いやすいようにアイテムを入れる

リュック最下部には寝袋やインフレータブルマットなど軽くてかさばるものを詰め込み、地面に置いた際の衝撃吸収材にします。中央層にはテントや食材を収め、背中側に寄せて重心を維持します。雨蓋や上部ポケットにはタープ、ペグ、レインウエア、ファーストエイドキットなど到着後すぐに使うアイテムを置けば、キャンプ場でいちいち探す手間が減ります。

外付けも活用する

長尺の断熱マットはリュック底面に横付けすると足に当たりやすくバランスも崩れるため、縦方向にサイド固定するか底面の二点で吊るすと安定します。サンダルやゴミ袋はカラビナとショックコードで吊るし、歩行中に揺れないよう短く留めると歩きながらのノイズも軽減できます。

季節別のキャンプ用パッキングガイド

同じ一泊でも季節が変われば荷物の性質も配置も大きく変わります。ここでは日本の四季に合わせた最適化術を紹介します。

春秋:変わりやすい気温に備える

朝晩の冷え込みを想定してフリースや薄手ダウンをスタッフサックで圧縮し、中段の隙間に詰めます。夜露で濡れやすいテントフライは上部ポケットに入れておけば、設営後すぐ干して乾かせるため結露臭も残りません。

夏:軽量化と水分管理が鍵

汗冷えを防ぐ薄手マットに切り替え、その分空いた下段スペースに追加の水三リットルを入れます。保冷バッグと保冷剤は背面中央へ寄せれば溶けた水分がリュック外側に漏れにくく、結露で他のギアが湿る事故を防げます。

冬:かさばる防寒ギアを無理なく詰める

マイナス十度対応シュラフは圧縮バッグで直径を縮めて下段へ収め、余白には防寒着を詰めて隙間を埋めます。焚き火台や小割りした薪は外付けするとバランスを崩しやすいため、背面パネル裏に縦置きしてステイパットで固定すれば歩行中の横揺れを抑えられます。

初心者が陥りがちなバックパックでのキャンプの失敗と解決策

経験者が一度は味わう“あるある”を先回りして対策しましょう。

過積載は体重の四分の一を超えたあたりから膝への負担が急増します。パッキング後にポータブルスケールで総重量を測り、不要品を削るクセを付けると装備が自然と軽くなります。荷重偏りは左右200グラム差が目安です。自宅でリュックを持って左右に振り、片側に倒れる感覚があれば配置を見直します。

最後に、設営で最初に使うグラウンドシートやペグを最底部に入れてしまうミスは、作業工程を逆から並べる「逆工程パッキング」を意識すれば回避できます。

ソロキャンプに特化したバックパックのパッキング術

一人で完結する装備は思い切って削ると機動力が増します。

公共交通+徒歩移動の場合、調理をアルコールストーブとチタンマグへ集約するだけでガスバーナーと大鍋を置き換えられ、およそ四百グラム軽くなります。椅子を持たずに厚手のグラウンドシートを二つ折りにして座面にすれば更に700グラム削減可能です。

ウルトラライトに挑戦するならまずスチールペグを Y 字アルミペグへ、コットをインフレータブルマットへ置換すると、かなり軽量化につながるのでおすすめです。

キャンプ用バックパックのメンテナンスと保管

汚れたザックを放置すると繊維の撥水性が低下し、カビや臭いの原因になります。

洗浄は30度以下のぬるま湯に中性洗剤を溶かし、ブラシで泥を落としながら手洗いします。洗濯機は生地をねじり撥水膜を劣化させるので避けましょう。陰干しで完全乾燥させたら、外側に撥水スプレーを吹き、ファスナーにはシリコンスプレーを軽く塗布して滑りを保ちます。

保管は湿度60パーセント以下の風通しの良い場所で吊るし、直射日光と高温を避ければ加水分解や色あせを抑えられます。

キャンプ用バックパックの参考ギアリストと実践パッキング例

一泊二日のソロキャンプを想定し、総重量九キログラムのフル装備を例示します。重量比は上段15パーセント、中段60パーセント、下段25パーセントに収めています。

上段にはテントタープ、ペグ、レインウエア。中段はクッカーセット、食材、水三リットル、バッテリーを背中側へ。下段にはシュラフと換えの衣類を詰め、断熱マットはサイドに縦付けしました。この配置なら歩行時のブレが少なく、設営時に必要なものから順に取り出せます。

まとめ|バックパックで行くキャンプを快適にする3つの鍵

本記事では、バックパックを利用したキャンプの持ち物について解説しました。

バックパックは、自分の体格と泊数に合った容量のものを選ぶのが大切です。重心を意識したパッキングと工程順の収納で設営時間と体力を節約することも重要です。さらに、バックパックの洗浄・撥水・保管のメンテナンスを習慣化して長持ちさせてみましょう。これらを押さえれば、バックパックでのキャンプはもっと軽快で自由な旅になります。

さあ次の週末、自分だけの装備で身軽なキャンプスタイルを試してみましょう。

以下の動画でも、バックパックスタイルのキャンプについて解説しています。ぜひ参考にしてください。