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キャンプ場での夜は、静寂と星空に包まれ非日常的な時を過ごせる反面、突然現れる蚊やブヨが快適さを一瞬で奪います。
テント泊の場合、虫に悩まされないためには「どんな虫除けを選べばいいのか?」「子どもやペットの虫除け対策はどうすればいいのか?」など、分からないことばかりではないでしょうか。
本記事では、キャンプにおける虫除けの基礎から応用までを一つにまとめてみました。安全性・快適性・環境配慮も考えた方法を具体的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
キャンプで虫除けが欠かせない理由

キャンプ場に多い虫の種類と危険度
夏の低地では蚊やブヨが最も勢力を広げ、薄暗く湿った場所ではヒルが忍び寄ります。標高1000m前後になるとアブが増え、秋口にはスズメバチが警戒対象に変わります。
これらの虫は単なるかゆみを超え、日本脳炎や重症熱性血小板減少症候群といった感染症を媒介する恐れもあるので気を付けましょう。特に、ブヨは体液を吸う際に皮膚を切り裂くため、強い腫れや発熱を伴うこともあるので刺されないように注意してください。
季節により注意するべき虫の種類
● 春先〜梅雨にかけて
春の低山では新緑に紛れてマダニが活動を始めます。梅雨が明けて気温が上がると、全国的に蚊とブヨがピークを迎え、高湿度の湖畔や湿地ではさらに密度が増します。
● 夏
標高が1500mを超える高原では気温が下がるため蚊は減りますが、7月から8月にかけては日中にアブが活発になります。海辺では潮風があるぶん飛翔昆虫は少なめですが、夜間のランタンに光が集まるため油断はできません。
● 秋
気温が下がり快適になる秋でも、森では樹液や甘い飲料に誘引されたスズメバチが発生して危険なので注意が必要です。
知っておきたいキャンプ虫除け対策の基本

人の場合:スプレーなど虫除けアイテムとウェアで
● 塗る、もしくはスプレーする虫除け剤で対策する
肌に直接塗布するタイプで、虫除け成分のディートとイカリジン配合のスプレーなどは即効性が高く、濃度が20%を超えると6時間前後の持続が期待できます。
汗をかきやすい真夏や高湿度の湖畔では3時間おきに、乾燥した高原の夜なら5時間おきに再塗布すると効果を維持できるでしょう。
天然精油系は肌刺激が少なく香りも楽しめますが、持続は1〜2時間が限度のため、パーマネント防虫加工の羽織りや長ズボンなどのウェアと重ね使いするほうがおすすめです。
●肌を出さないウェアで対策する
キャンプ場での虫対策のウェアの基本は、できるかぎり「肌を露出しない」「汗をこまめに拭う」ことです。暑い夏でもタンクトップに短パン、裸足にサンダルなどのスタイルは、危険なファッションの代表。
長袖・長ズボン・首は露出を避けるためにタオル・頭は帽子・サンダルではなく靴下とシューズで防御してください。
空間の場合:ランタン配置・蚊帳・電気式ギア
虫は波長380ナm前後の紫外線に強く引き寄せられます。ランタンのホヤをアンバー色に変えるか、テントサイトの主照明を暖色系180ルーメン程度に抑えるだけでも誘引数は目に見えて減少します。
炊事場や食材保管場所にはホワイトライトを設置し、虫をそちらに誘導して寝室から遠ざけると効果的です。テント入口に蚊帳を二重に張り、就寝時には空間用虫除けスプレーを置くとより効果があるでしょう。
行動する場合:服装色・食材保管・焚き火の煙利用
黒や赤は熱を帯びて二酸化炭素を放散しやすく、蚊の感知センサーを刺激する色なので、ウェアに使うのは避けたほうが無難です。速乾性のある明るい色の長袖とロングパンツを選び、袖口や足首はゴムで絞って隙間を作らないようにしてください。
調理後の残りものはすぐ密閉容器に移し、甘い飲料は飲み切るか蓋をしておくことでスズメバチの接近を抑えられます。
さらに、夜間の焚き火で出る微細な煙は自然の忌避効果があるため、火の粉が飛ばない安全距離を保ちつつ衣類にまとわせると虫除け効果を得られます。
キャンプでの虫除けアイテムの成分別比較と選び方

【効果時間比較で選ぶ】ディート・イカリジン・ピカリジン・天然精油
ディートは10%で3時間、30%で6時間程度持続します。一方、イカリジンは15%で4時間、20%で8時間が目安です。天然精油は濃度2%前後でも1〜2時間が限度ですが、肌への刺激が少ないこととナチュラルな香りを楽しめるのがメリットです。
子ども・妊婦・ペットの安全ガイド
厚生労働省の指針では、生後6ヶ月未満にはディートを避け、生後6ヶ月以上2歳未満は1日1回まで、2歳から12歳未満は1日3回までとしています。イカリジンは年齢制限がなく、妊婦も使用できますが、いずれも目や口への噴射は厳禁です。
さらに、犬や猫は、ティーツリーやペパーミントなど一部の精油は肝毒性が報告されています。ペット同伴の場合は動物医薬部外品認可済みの首輪スプレーや空間ディフューザーを選ぶと安心です。
また、ペットのケージをすっぽり覆うような形や独立型の「ペット用の蚊帳」もあるので、寝る時はテント内に設置するのもいいでしょう。内部に熱がこもらないように、通気性がいいかどうか事前に確認してください。
それ以外の方法
10回以上の洗濯にも耐える「パーマネント防虫ウェア」を着用すると、虫除け効果があります。また、 インナーテントは、1メッシュ平方inchあたり150〜200孔の生地を選ぶと、蚊とブヨを同時にブロックできるのでおすすめです。
以下の動画では、おすすめの虫除けアイテムを紹介しています。ぜひ参考にしてください。
【季節×ロケーション別】キャンプでの虫除け方法

春(低山・草地):マダニ&ヒルに注意
春の新緑キャンプでは、足元から這い上がるマダニとヒル対策が最優先です。
パーマネント防虫加工を施したソックスとロングパンツを組み合わせ、ヒル対策用の塩を入れた袋、ヒル除けスプレーなども用意してください。足を剥き出しにしたまま、草むらに分け入るのも厳禁です。人間だけではなく、犬を散歩させるときも草むらは避けてください。
また、地面に直接寝転ぶ写真撮影などをする場合は、ユニバーサルシートを敷いて肌が草に触れないようにすると安全です。休憩するときにリュックは直接地面に置かずに、木の枝などにかけましょう。
夏(海辺・湖畔):蚊&ブヨへの対策を
夏場、夕暮れの水辺では蚊とブヨが一気に増えます。近寄る前に高濃度イカリジンを全身に塗布しましょう。
サイトには、シトロネラキャンドル(シトロネラ、ユーカリ、シトリオドラ(レモンユーカリ)などの天然由来成分100%で作られたキャンドル)を風下に2m間隔で配置し、暖色系ランタンを低光量で吊るすと虫の進入経路を分散できます。
風が止んだときは携帯ファンやサーキュレーターを回して気流を作ると、飛翔昆虫を近づけにくくなるのでおすすめです。
秋(高原):スズメバチに警戒
秋の高原では、熟れた果実の香りを追ってスズメバチが活発になる季節です。ウェアは黒やネイビーを避け、ベージュやオリーブなどの柔らかい色味を選びましょう。
甘い飲料を飲む際は蓋付きマグを使い、匂いを最小限に抑えます。また、キャンプ当日に着ていくウェアやタオルなどには、甘い香りが漂う柔軟剤を使用しないように気を付けましょう。
万が一刺された場合に備え、ポイズンリムーバーと冷却シートを手の届く場所に用意しておくと応急処置が迅速になります。
【ユーザー層別】キャンプでの虫除け戦略

ソロキャンプ
荷物を極限まで減らしたいソロキャンパーには、ハッカ油とエタノールを1:9で希釈したミスト、150g以下の軽量防虫ウェア、USB充電式の小型ファンの3点があれば、3泊4日の縦走でも虫被害を大幅に抑えられます。ファンは熱中症対策にもなるため、一石二鳥です。
ファミリー・キッズ連れキャンプ
幼児には年齢制限のないイカリジンをメインに、大人は補助的に天然アロマディフューザーを併用すると、臭いの好みが分かれる家族内でも不快感が少なくなります。
ベビーカーは屋外に放置せず、幼児は床面高さが30cm以上のコットで就寝させると虫の侵入を遮断できるでしょう。刺された後は、クロルフェニラミン配合の鎮痒消炎剤を早めに塗布すれば腫れを最小限に抑えられます。
ペット同伴キャンプ
「成分別虫除けアイテムの比較と選び方」でも触れたように、ペットの防虫対策には気を配りましょう。
犬猫は人間より地面に近く、マダニ感染症のリスクが高くなります。動物病院で処方される経口ノミダニ薬を事前に投与し、首輪スプレーで追加防御を施すと万全です。
ティーツリーなど肝毒性の懸念がある精油は避け、ペット用に調整されたユーカリレモン配合のディフューザーを選ぶなど、安全性には充分に注意してください。
キャンプで虫除けをしても刺された後の応急処置

ポイズンリムーバーの正しい使い方
刺されてから2分以内にポイズンリムーバーを患部に密着させ、1回10秒×3セットで毒素を陰圧吸引します。血流が止まらないよう強く引きすぎないことがポイントです。その後、流水で洗い流し、冷却シートで患部を冷やすと腫れが抑えられます。
市販薬(抗ヒスタミン・ステロイド)を使用する
かゆみが主症状ならクロルフェニラミン入りの軟膏を、赤みと腫れが強い場合はプレドニゾロン配合のステロイド剤を12時間以内に塗布すると症状が軽減されます。
患部が化膿傾向にあるとき、塗り薬にアレルギーがあるときなどは医師に相談してください。
病院受診の目安と感染症サイン
刺された部位が10cm以上に腫れ続ける、発熱が38℃を超える、頭痛や倦怠感が3日以上続く場合は早急に医療機関を受診してください。
発症から4〜14日後に高熱と下痢を伴う場合は、重症熱性血小板減少症候群が疑われるため、迷わず救急を呼びましょう。
キャンプでの虫除けギアのメンテナンス&保管方法

防虫ウェアのメンテナンス
パーマネント防虫ウェアは専用洗剤で30℃以下の水洗いにとどめ、脱水は短時間にします。その後、低温のタンブラー乾燥か日陰干しで熱ダメージを避けると加工が長持ちします。
インナーテント・蚊帳のメッシュ補修と防カビ
メッシュの破れは3mm幅までなら接着剤付きリペアパッチで補修できます。撤収後は必ず完全乾燥させてから収納し、湿気吸収シートを一枚入れておくとカビの発生を防げます。
線香ホルダーのヤニ掃除と乾燥保管
線香ホルダー内部に付着したヤニは40℃度程度のぬるま湯で柔らかくしてから、歯ブラシで優しくこすり落としてください。その後、食器用洗剤で洗い直し、完全に乾いてから布袋に入れて保管すると金属の錆を防げます。
環境に配慮したキャンプでの虫除け対策

成分の生分解性と水質影響について
ディートは水中での分解に最長16週間かかる一方、イカリジンは2週間で自然分解が進むとされています。川や湖の近くではイカリジンや天然精油を優先し、散布後に手を洗う水は、流域外の排水溝に捨てると水生生物への影響を軽減できます。
空容器リサイクル・再充填ステーション一覧
東京都、長野県、福岡県ではアウトドア専門店と提携した回収ボックスが2025年春から順次設置されています。詰め替えパウチの再充填ステーションも全国40店舗で稼働を開始したため、旅先で手軽に補充できます。防虫用品防虫用品を廃棄したりスプレーに充填したりする際は利用してください。
「虫を殺さず忌避する」ライト・アロマの選択肢
紫外線をカットしながら300ルーメン相当の白色光を得られる新型LEDランタンが2025年に登場しました。虫を寄せ付けにくい効果を得られると同時に、運搬時の電池ゴミも削減できます。
また、シトロネラやユーカリレモンのアロマは蒸散量を調整したカートリッジ式が主流になり、燃焼系キャンドルより煙が出ないため環境負荷がさらに低減されています。
キャンプでの虫除け対策についてよくある質問

Q:虫除け剤は、雨の日はどのくらいで再塗布するべきですか?
A:強い雨ならディート・イカリジンともに2時間以内の再塗布がいいでしょう。
Q:標高の高い場所なら虫除け対策は不要ですか?
A:例えば、標高1500mくらいでは、蚊は減るもののアブとハエが活発になるので対策は必要です。
Q:テント内で虫除けスプレーを使っても安全ですか?
A:密閉空間での直接噴霧は呼吸器刺激の恐れがあるので、外で着衣や肌に噴霧し十分乾かしてから入室しましょう。
Q:虫除け剤を塗るタイミングは?
A:場所にもよりますが、朝夕の気温変化で虫の活動時間帯が伸びます。朝食前から塗布したほうがいいでしょう。
Q:天然成分の虫除け剤なら誰が使っても安心ですか?
A:肌刺激が低い一方、アレルギー反応の報告もあるので肌の弱い人は使用する前にパッチテストをしてください。
Q:焚き火の煙だけで虫を防げますか?
A:効果は限定的なのでスプレーやアウトドア用の蚊取り線香などと併用しましょう。
Q:虫除けと日焼け止めはどちらを先に塗ったほうがいいですか?
A:日焼け止めを先に塗り十分に乾かしてから虫除けを重ねるとよいでしょう。
キャンプでの虫除け対策に便利なTOKYO CRAFTSの「エフィカ メッシュウィンドウ」

炎天下でもテント内にこもる熱と湿気を一気に逃がし、同時に蚊やブヨなどの虫の侵入をシャットアウト──TOKYO CRAFTS「エフィカ メッシュウィンドウ」は、エフィカ専用に設計された軽量0.9 kgの換気パネルです。
ジッパー式だから設営後でも数秒で着脱でき、左右どちらにも装着可能。二枚あれば出入口をすべてメッシュ化でき、風通し抜群のリビングが完成します。
細かなポリエステルメッシュは視界を遮らず、夜風を取り込みながらランタンの灯りに集まる虫をブロック。日中は調理臭や水蒸気を効率良く排出し、夜は結露を軽減します。寒い季節は別売りTPUウィンドウに差し替えるだけで保温モードへ早変わり。季節ごとの快適性と虫除け対策を両立した、ファミリーキャンプの必携アクセサリーです。
しっかり虫除け対策をして快適にキャンプを楽しもう

キャンプでの虫除け対策は、1つではなくスプレー、ウェア、蚊取り線香など複数を併用するのが一番効果的です。皮膚に塗る薬、空間に散布スプレー、蚊取り線香のように焚いて使うアイテム、ウェア、蚊帳など、自分たちに必要なものをいろいろ持っていきましょう。
また、万が一虫に刺されたことも考えて、応急処置のできる薬なども持っていくことが大切です。小さいお子さんやペット同伴のキャンプの場合は、虫除けアイテムの安全性も事前に充分調べてから製品選びをしてください。万全な虫寄け対策で、快適にキャンプを楽しみましょう。
以下の動画でも虫対策について紹介しています。より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。