2025.06.10

キャンプで火起こしはどうやる?失敗しない火起こし完全ガイド

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キャンプや焚き火BBQなどを始めたばかりの人が、まずつまずくのが「火起こし」です。

薪が湿っていたり風が強かったりすると、ライターをいくら使っても炎はあがりません。うまく火起こしができずに焚き火を燃やせなければ、調理もできず暖も取れずで、せっかくのアウトドアの時間が台無しになってしまいますよね。

そこで、この記事では天候やサイト条件が変わっても再現できる火起こしの手順、安全対策、道具の選び方、環境配慮など、火起こしに関することを解説します。

お役立ち情報が満載なので、ぜひ参考にしてください。

火起こしの基礎理論と安全チェック

火起こしを成功させるための燃焼三要素

火起こしは空気(酸素)・熱(着火源)・燃料(薪・炭)の「燃焼三要素」がそろって初めて成立します。まずは、この基本理論を理解することで、火を起こすために必要な準備を整えることができるでしょう。

● 酸素

火を起こすためには空気中の酸素が必要です。酸素が足りないと火は消えてしまうので、火の周りの空気をしっかりと循環させることが重要です。風が弱い日でも、風向きを確認して火を囲むように配置しましょう。

● 熱

火を起こすためには一定の温度が必要です。火種を育て、着火剤や小さな木片などを使って熱を引き出す方法が一般的です。火をつける初期段階では、風を防ぎながら着火剤や細い木材を使って熱を補いましょう。

● 可燃物

木や炭などの可燃物がなければ、いくら熱を加えても火は起きません。質の良い薪や炭を準備しておきましょう。特にキャンプでは、薪や炭の種類によって火力や燃焼時間が異なるので、事前に適切なものを選んでおくことが重要です。


この燃焼三要素を意識しておけば、炎が消えそうなときにも原因がすぐに特定でき対処方法も瞬時に行えるでしょう。必ず安全チェックを行うことが必要です。

火起こし前の安全チェックリスト

火起こしをする前には、必ず安全チェックを行うことが必要です。以下のチェックリストを参考にして、準備を整えましょう。

● 風向きと風速の確認

風が強い日には、風除けを準備しましょう。風が強いと火がすぐに消えてしまうことがあります。周囲の風の流れを確認して、火を守るための準備をしましょう。

● 周囲の環境を確認

周囲に可燃物がないか確認し、火を起こす場所が安全かどうかを確かめましょう。乾燥した草木や紙類、キャンプ用テントなどが近くにないか、十分にチェックすることが重要です。

● 道具の準備

チャコールスターター、着火剤、火吹き棒など、必要な道具を事前にチェックし、整備しておきましょう。また、着火剤や紙くずなど、いざという時に使える素材を手元に準備しておくと便利です。

● 水を用意

万が一のために消火用の水や砂を準備しておくことが重要です。火を消す方法も事前に確認しておきましょう。

季節・天候別の火起こしについて

梅雨・高湿度の時のキャンプ

梅雨時は薪の含水率が高く、表面が濡れていることが多いです。細割りして表面積を増やし、チャコールスターターを即席の乾燥筒として利用すれば、1分以内に水分を飛ばせます。

ワックスでコーティングしたウッドチップは水を弾きながら着火温度を下げるため、湿薪でも確実に火種を得られます。

また、以下の方法も試してみてください。

● 乾燥剤を使う

乾燥剤を薪の近くに置いて、湿気を吸収させます。これにより、薪が乾燥し、火をつけやすくなります。湿った薪を長時間使う場合でも、乾燥剤を使って燃焼時間を延ばすことが可能です。

● 新聞紙や紙くずを使う

湿った薪でも、新聞紙や紙くずを使えば着火しやすくできます。

夏・強風の浜辺

風向きを読んで焚き火台の開口部を風下に向け、背面に風防を立てて気流をコントロールすると炎が安定します。火花が飛散しやすいので、周囲3mに可燃物を置かないことが必須です。

火花ガード付きの焚き火ネットを併用すれば、夜の強風でも安全に火を育てられます。ファイヤースターターやチャコールスターターなど、強風に強い道具を選ぶことも大切。風の影響を受けにくい道具を使うことで、安定して火を起こすことができます。

冬・高山サイト

標高が上がると空気が乾燥している一方で酸素濃度が下がるため、火付きは遅くなります。

高脂質の着火剤を選び、酸素供給量を増やすために焚き火台の下部スリットを拡張しましょう。熾火を長持ちさせるには、反射熱を前方に送る遮熱リフレクターを設置し、地面からの熱損失を防ぐことが効果的です。

火起こし道具の種類と選び方

チャコールスターター(煙突型)

筒状のスターターは、煙突効果で少ない燃料でも短時間で炭を白く着火させます。底網が目の細かいタイプは小さな炭も落ちず、二次利用しやすいのが利点です。ステンレス製は錆に強く、スチール製は熱伝導率が高く短時間着火に向きます。

ファイヤースターター&マグネシウムブロック

フェロセリウムロッドは3000℃を超える火花を出し、湿った木でも表面を削れば着火できます。マグネシウムブロックは削りかすが約500℃で自己発火し、スパークの芯として働くため極寒でも信頼度が高いです。

以下の動画では、様々なファイヤースターターを比較しています。どんなスターターを使おうか迷っている方はぜひ参考にしてください。

摩擦式・サバイバルツール

弓切りドリルやファイヤーピストンは、道具がなくても自然素材で火を起こせるサバイバル向け手法です。弓弦に麻紐を使うと伸縮率が低く回転エネルギーがロスしにくいので、短時間で火種が得られます。レンズを使い発火する方法は晴天限定ですが、備蓄燃料を節約できます。

火吹き棒

火起こしをして小さな火が起きたら、火吹き棒で直接酸素を送れば、効率的に火力を上げられます。火吹き棒はさまざまな素材やサイズがあるので、効率的に火を送れて携帯しやすいものがおすすめです。

道具別の火起こし方法とトラブル対応

チャコスタを使った炭の着火

底に着火剤を置き、小炭を隙間なく立てると煙突効果が最大化します。火が回った炭は火消し壺で酸素を遮断して持ち帰れば、次回のスターター兼エコ燃料として再利用できます。

フェロロッドで薪に火を付けるコツ

フェザースティックを作り、木の繊維を細かく削って空気層を増やすと火花が深部に入りやすくなります。ナイフの背でロッドを90℃の角度で強くこすり、スパークを狙った一点に集中させると成功率が上がります。

摩擦発火を成功させる弓切りドリル

スピンドルの先端は鉛筆のように尖らせ、火座の切り欠きは5mm幅で1/3円を削ると熱が一点に集まります。火口(ほくち)は乾燥した杉皮をほぐし、手のひらサイズにまとめて保温しながら着火を待つと確実です。

「火が付かない!」ときの対処方法

●  湿薪で炎が上がらない

表面をナイフで薄く削り乾いた芯を出してから細割りし、火口を二重にして熱を蓄えます。炎が小さいうちに太薪を置くと窒息するので、指の太さの薪が勢い良く燃えてから次の段階へ進みます。

●  強風で火種が飛ぶ

2枚の板をV字に立てて風下を囲い、焚き火台の通気孔は閉じ過ぎず開け過ぎず、炎の音が一定になる位置に調整します。炎色が不安定な白から安定的なオレンジに変われば空気量が適正です。

●  標高が高く酸素が薄い

一次空気の入口を広げ、火吹き棒で点的に酸素を送り続けると炎が消えにくくなります。炎が低く青白い場合は酸素不足、勢いがあり過ぎて散る場合は燃料不足と判断できます。

火起こし道具のメンテナンス&長持ちさせる方法

チャコスタの煤落としと錆止め

使用後は水を張ったバケツに沈めて灰を落とし、酢と重曹を一対一で溶かした溶液に30分漬けます。真鍮ブラシで磨き、乾燥後に耐熱クリアスプレーを薄く塗れば錆びにくくなります。

フェロロッドの削り直しと保管温湿度

表面の酸化膜を360番ヤスリで軽く落とし、削りカスを拭き取ります。防湿ケースにシリカゲルを入れて密閉すれば、錆による発火力低下を防げます。

耐熱手袋・火消し壺の長持ち術

耐熱手袋は中性洗剤で手洗い後、陰干しで乾燥させると難燃繊維が劣化しにくいです。火消壺も、使用後きれいに洗って乾燥させてから保管してください。

火吹き棒

ぬるま湯を流し込み内部をゆすいだ後、中性洗剤を含ませたブラシで軽く擦ります。すすぎ終えたら水分を完全に抜き、乾いた布で拭き取ってください。鍮やステンレスの場合は、最後に防錆オイルを薄く塗布すれば酸化を抑えられます。

火起こしを子どもと楽しむ時の安全対策

年齢別の役割分担と声かけフレーズ

3歳には着火剤投入を、6歳には火吹き棒での送風を任せると達成感が得られます。「炎は生き物だから優しく育てようね」と声をかけると、子どもが炎をコントロールする感覚を学びやすくなります。

火傷防止ギアの選び方

手袋は子どもの手首をしっかり覆うサイズを選び、袖口のベルクロで隙間をなくします。難燃エプロンを着せれば胸元への火花の飛散を防げます。

火育ゲームで学ぶ燃焼サイクル

紙製の炎カードと温度カードを組み合わせ、酸素・燃料・熱をそろえて「炎役」が立ち上がるボードゲームを作れば、遊びながら燃焼三要素を体感できます。

火起こしに関するよくある質問

Q火起こしして着火しやすい「薪の組み方」は?

Aもっとも失敗が少ないのは「井桁(いげた)型」です。太い薪を下に置き、その上に中〜細薪を直角に重ね、中央にフェザースティックや乾いた小枝を詰めてください。空気が上昇気流で抜けるため、着火剤1〜2個で火柱が立ちやすい方法です。

Q生木しか手に入らないときの対処法は?

A皮をはいで内部の湿った層を露出させず、ナタやナイフでバトニングして割り、芯に近い乾いた部分を使います。火打ちスペースを広げて弱火でじっくり乾燥し、点火して「乾かしながら燃やす」ことを意識してください。

Q風が強くて火起こしした火が消える際の風対策は?

A風下側を「防風板」や石・薪で囲み、焚き火台の高さを下げます。うちわであおぐのは一瞬だけにして、常時は空気穴を確保して自然通気を生かしましょう。テントへ火の粉が飛ばないように気を付けてください。

Q着火剤を忘れた時の火起こし用の代用品は?

A樹脂が多く着火性のある松ぼっくり、乾いたコットンにワセリンを染み込ませたもの、ティッシュに少量のサラダ油を含ませたもの、麻ひもをほどいた繊維など。

いずれも親指大にまとめ、中心温度が200 ℃超に達するまで火を当ててください。

Qバーナーを使わずに火花で着火したい場合は?

Aマグネシウムファイヤースターターで1cm角のマグネ粉を削り、ティンダー(杉の葉・カラカラのススキ)に火花を5〜10回飛ばす。成功率は乾燥時90%前後です。湿度が高い日はティンダーを増量しましょう。

Q一度火起こしできた火が途中で弱くなる原因は?

A多くは、薪の詰め込み過ぎによる酸欠、細薪不足で熱量が伸びず太薪に燃え移らない、熾(おき)をかき混ぜず熱が一点集中などです。2〜3本ずつ側面から追加し、10 cm角程度の熾火を維持すると安定するでしょう。

火起こしに最適!TOKYO CRAFTSの火吹き棒







使いやすさと機能性を兼ね備えたTOKYO CRAFTSの火吹き棒「マグナブラスター」。

初めて火吹き棒を使って火起こしする人でも、効率的に火種に空気を送れる” 太い ”火吹き棒です。使用時の長さは、口を離して使う事を考慮し50cmあり、熱気の逆流も防げます。

管が太いので湿気がこもりにくくドライな状態を保てるのもメリット!構造上お手入れも簡単なので、末永く衛生的に使えます。

3ピース構造で収納サイズは20 x φ3.2cm、重量は約125gと軽量なため、持ち歩きが楽にできるのも魅力です。

ユーザーの感想

思いっきり吹かなくてもOK。火が付くのが早い&カッコイイ

口をつけずに強い風が送れるので、衛生的で火起こしも楽になりました!

洗浄も容易で衛生的なため安心して使用できました。オシャレでスタイリッシュなのもとても気に入ってます!

火起こしした焚き火を守る!TOKYO CRAFTSのヒートリフレクター

また、安全に火起こしを楽しむためにおすすめなアイテムとして、TOKYO CRAFTSの「ヒートリフレクター」もあります。

焚き火の側に設置することで、防風幕として焚き火を守り、安定した焚き火をサポートします。さらに、金属プレートで輻射熱を反射させることにより、高い暖房効果を発揮します。目隠しとしても一役買ってくれるので、よりプライベートな焚き火の時間を楽しめます。反射板をセットしたまま撤収可能なので、設営・撤収の時間を短縮できます。

ユーザーの感想

火もしっかりと上昇して使用感も満足です

リフレクターが熱を反射してくれるので、凄く暖かいです。多少の風でも焚き火できるのでお気に入りです。

ソロで使うのに充分、かつ折り畳めるのが最高にありがたいですね。


安全な火起こしをしてキャンプで焚き火を楽しもう

火起こしは燃焼三要素を理解し、天候と道具の特性を踏まえて手順を組み立てれば確実に成功します。

湿薪でも火を起こせる乾燥テク、強風や高山で炎を安定させる気流コントロール、そして道具を長持ちさせるメンテナンスまでを押さえれば失敗は激減します。

火起こしが自由自在にできるようになったら、焚き火も炭火料理もいつでも自由に楽しめるようになり、よりキャンプの醍醐味を味わえるでしょう。

以下の動画では実際に火起こしの様子を解説しています。ぜひ参考にしてみてください。