DELTA TALON開発者たちの物語
拘ったのはグリップの位置。
快適に、スムーズにそしてタフに使えるそんなナイフを目指しました。
調理する際に通常のナイフだとまな板やテーブルに手が当たって刃の先端部分しか使えないことがネックでした。
食材をストレスなく切れて、焚き付けからバトニング等、キャンプに必要な機能を徹底して考え直し、本当に必要な機能を追求した一本のナイフを目指しました。
ナイフの開発背景
開発当初”これ一本でなんでもできるナイフ”というのを使っていて、確かに使えるのだけど果たして今のキャンプというシーンにしっかりと合っているのか疑問がありました。
使えるんだけど、どこか使いにくいような、どこがそうさせているのか徹底的にナイフの要素を一から見つめなおしてナイフを作る気持ちでデザインを進めています。
初期スケッチ
様々な仮説を立て、薪の叩き方なのか、ブレードの形状なのか色々な切り口でキャンプというシーンでナイフに必要な形状や構造について考えました。
この形が出来るまで
スケッチだけでなく、簡易的な模型を作成して、どこを改善すれば満足できるナイフになるのか立体でも検証。
検証していく中でグリップの位置がストレスの原因になっているのではないかと考え、高さや太さ、形状の案をいくつか出して”グリップ位置を高くすることで解決できるのではないか”と考えました。
様々な刃の形状や持ち手の形状、サイズ感をどう調整すれば切りやすくなるのか、ストレスなく切れるのかを検証しました。
最終的な形になるまで、たくさんのプロトタイプを作成しています。刃の形状はもちろんですが、グリップの位置も非常に重要なことに気が付き、まな板に手の当たらない角度やバトニング等をする際に不便に感じない角度等も考慮して、様々な造形展開を行いました。
目的に合った握り方
握った手がまな板に当たらないだけでなく、フェザースティックやバトニング、ファイヤースターター等でキャンプをより楽しんでいただける機能を盛り込みました。
二段階のグリップも採用しており、力のいる作業や細かな作業等用途に合わせて握り方を変えて使用できます。
刃の形状
刃の形状は野菜やお肉等の食材をより切りやすくするため、包丁の様にわずかに曲線がつけてあります。
通常のナイフだとまな板にあてた際まっすぐで動きにくく、食材を切っていてストレスに感じたため、絶妙な曲線を付けて切りやすい刃に仕上げました。
通常のナイフではヒルトや手が邪魔になり、引いて切ることが主ですが、デルタタローンは、包丁の様に上から押して切ることも可能です。
刃の先端部分はセカンダリーベベルで刃こぼれしにくい形状に。もし刃こぼれしても、先端部分をさっと研ぎなおしてメンテナンスしやすい設計にしてあるため、末永くお使いいただけます。
形状や素材
とにかくハードにそしてメンテナンスフリー。持っていくのが楽しくなる、そんな素材を選びました。
ハンドル部分はG10というミリタリースペックのグリップを採用し、丈夫で滑りにくい素材を選定。
刃の部分はSUS440Cにブラックウォッシュ加工を施して、傷や指紋が目立ちにくい仕上げに。尚且つTOKYO CRAFTSらしいモノトーンの世界観にまとめました。
形状も商品名の一部「デルタ」とある通り、三角形状でまとめています。実はこの意匠部分はマクライトやダイヤフォート等に使われている三角形状を意識することによって、ブランドとしての統一感も考えて造形をまとめています。
シースの初期案はABSやカイデックス等のシースを検討していました。
しかし、本当に体験していただきたいのはナイフ本体。シースはあえてコストを落としつつも、縫製でしかできないようなデザインにしています。
既存のシースはベルトループと一体になっているものが多く、ベルトループを使わない需要も考え、取り外しできる構造にしています。(最終右)ベルトループ不要の際はコンパクトかつスマートに携帯できます。
辿り着いた形
たくさんのプロトタイプとサンプル検討を幾度となく重ねて最後にたどり着いた形。それが3.5mmフルタング構造のナイフです。バトニングも安定して行えます。
刃の先端部部は少し直線をつけてあります。お肉等の繊維が強い食材の場合は、刃の先端部分を使って断ち切ることもできます。
ナイフの背の部分は鋭角に設計。ファイヤースターターとして着火することが可能です。
持ち手は二段階のグリップを採用。フェザースティックを作る際も持ち手前方を握って目的に応じて軽快に作業できます。
この二段階のグリップはC面をとっており、長時間作業していても痛くなりにくく、疲れにくい構造になっています。
様々なニーズや要望を踏まえて一本に凝縮したナイフに。
ぜひキャンプをする際の相棒として、そしてなによりキャンプがより楽しくなるそんなアイテムを目指しました。
STORIES