火吹き棒
火吹き棒の重要性とは?選ぶときのコツや使い方を徹底解説
火吹き棒ってあったほうがいいの?
「火吹き棒」とは、口から火元に直接空気を送り込むことのできる、たて笛のような棒状の道具です。
焚き火は、うちわで仰いで火を大きくすることもできるので、「火吹き棒ってあったほうがいいの?」という人もいます。
しかし、火吹き棒を使えば必要な場所を狙って空気を送り込めるので、効率的に炎を起こすことができ、灰を巻き上げにくいのもメリットです。
火吹き棒は長さがあるため、直接焚き火に息を吹きかけるより、火種から顔が遠くなり、キャンプ初心者でも安心して使えます。
焚き火の火起こしをするときはもちろん、わずかな熾火や炭火、弱くなってきた火なども、火吹き棒で空気を送り込めばあっという間に蘇ります。
焚き火をすばやく起こしたり火力をあげたりできる火吹き棒は、キャンプのマストアイテム!
便利なだけではなく、デザイン性が高い製品が多いのも特徴です。
火吹き棒を使っているとキャンプ上級者の雰囲気が演出できます。ソロキャンプのときは、いかにも「キャンプをやってる!」、「焚き火を育てている」という気分に浸れる……という声も多いです。
一口に火吹き棒といっても、さまざまな素材や種類があります。
この記事では、火吹き棒の選び方のコツや種類、使い方など、基礎知識をご紹介します。ぜひ自分のニーズにぴったり合うものを見つけてください。
火吹き棒を選ぶときのコツ
火吹き棒を選ぶときは、構造のタイプ・素材・長さ・伸縮性・機能性をチェックしましょう。
コツ①タイプから決める
火吹き棒には、伸縮式・分割式・ワンピース式があり、それぞれ特徴が異なります。
-伸縮式
伸縮式は、複数のパーツが連結しているタイプの火吹き棒です。伸ばしたり縮めたりが自由自在にできるため、ちょうどいいサイズに調節でき扱いやすいでしょう。
使うときは、好きな長さに伸ばし、使い終わったら縮めてコンパクトにできるのもメリットです。基本的に軽量なものが多く、ウェアやリュックのポケットにすんなり納められるため、携帯や保管に困りません。
ただし、強度が劣るものもあるので注意してください。
-分割式
分割式は、いくつかのパーツを組み立てて1本の火吹き棒にして使うタイプです。
デザインの種類が豊富で、バラせるために火吹き棒の内側のメンテナンスもできます。また、ある程度はコンパクトにまとめることも可能です。
見た目重視で、組み立てたり分解したりの手間が面倒ではない人に向いています。
-ワンピース式
1本の筒状になっているタイプです。分かれていないので強度に優れています。さらに、1本ものはデザインが自由にできるため、おしゃれな製品が多いのも特徴。
組み立てたりしないで焚き火をするときにすぐ使用できます。ただし、たたんだり分解したりできないため、ウェアのポケットに気軽に入れるということはできません。
コツ②素材もさまざま
火吹き棒は、さまざまな素材があります。ステンレス・アルミ・竹・真鍮が代表的な素材です。
-強度・耐熱性・お手入れがしやすい「ステンレス素材」
ステンレスは英語で「StainlessSteel」と書き、「錆びない」という意味があります。
鉄にクロムやニッケルを混ぜ合わせた合金のことで、サビにくく、耐食性・耐熱性・強度にも優れているので、火吹き棒には最適な素材といえるでしょう。
雨風が強い日や水辺の近くで使用して濡れても大丈夫です。ただし、ほかの素材と比べると長さや大きさによっては比較的重いのが難点です。
-価格が安く軽量な「アルミ素材」
アルミは、柔らかさや軽量さが特徴の非鉄金属です。
長いものや太めのものでも、素材が軽いので持ち運びしやすく、また比較的リーズナブルなのも魅力でしょう。
ただし、強度の弱いアルミの場合は、耐久力に欠けるため乱暴に扱わないように気を付けましょう。パッキングするときも傷付かないようにケースに入れ、上に重量のあるものを置かないなど気配りをしてください。
-天然素材で自然に馴染む「竹素材」
竹の火吹き棒は、「ふいご」とも呼ばれ、時代劇にでてくるようなレトロな雰囲気が持ち味です。ふいごを使って、風呂釜の火に空気を送り込んでいるシーンを見たことがある人が多いでしょう。
竹製の火吹き棒は、価格が安く強度もありますが、天然素材だけに金属よりは劣化しやすいのが難点。
雨などで濡れたまま完全に乾かさずに袋の中にしまって保管すると、カビが発生することもあるので気を付ける必要があります。
-経年劣化を楽しむことができる「真鍮素材」
真鍮の火吹き棒は、アンティーク楽器のような雰囲気が魅力です。
アルミニウムやステンレスなどの素材には出せないような、クラシカルな味わいがあります。真鍮は高い強度があるものの、加工しやすいため、個性的なデザインが多いのも特徴です。
最初は金色にキラキラしていますが、経年によってどんどん落ち着いた色合いに変化していく様子も楽しめます。カビが生えることもあるので定期的なメンテナンスが欠かせません。
コツ③長さと伸縮性は購入前にチェック
火吹き棒は、「長さ」も重要な要素です。一般的な長さは約60cmくらいですが、それより長いもの・短いものもあります。自分が使いやすい長さを選びましょう。
【短いサイズの特徴】
60cm以下の短めの火吹き棒は、小さめで携帯に便利です。
近距離から狙った場所に空気を送りやすいので、コンパクトサイズの焚き火台や卓上タイプのBBQコンロなどを使うときにおすすめです。
ただし、火元にかがみ込んで使うため、熱源に顔が近くなり熱さを感じるのが難点。吹いて風を送ったときに、灰や火の粉が舞い上がって目に入ったり顔にくっついたりする危険性もあります。距離感には気を付けて使用しましょう。
【長いサイズの特徴】
60cm以上の長い火吹き棒は、熱源と距離を取れるので、灰・煙・熱からの影響を受けにくく安心です。また椅子に座ったままの状態で使えるため、吹きやすいでしょう。
火吹き棒を初めて使う人は、まずは安全性を重視して長めのものを選ぶのがおすすめです。
長さがあるとコンパクトにできないので、ウェアのポケットに入れて持ち運ぶことは難しいかもしれません。
コツ④機能性の有無も確認
ただのシンプルな筒状態なだけではなく、機能性が高い火吹き棒もあります。
機能性①金具付き
火吹き棒の空気を吹き込む側の反対に金具が付いていて、ミニかなづちのように炭を叩いて割ったり・突いて押し込んだり・薪を動かしたりすることができるタイプもあります。
機能性②火ばさみ一体化
火吹き棒と火バサミが一体になったタイプもあります。大きく長い金属バサミの片側が筒状になっていて火吹き棒として使え、炭や薪を移動したりBBQで食材を動かしたりするときはそのまま火バサミと同様に物をつかめます。
機能性③口を付けづに使用できる
火吹き棒というと、唇に付けて使うイメージがありますが、昔から使われている本来の火吹き棒は口を直接付けないで使用するものです。
口を付けなくても、大量に効率よく空気を送り込める構造になっている火吹き棒もあります。
機能性④ファイヤースターター一体型
火吹き棒とファイヤースターターがセットになっている製品もあります。ファイヤースターターとは「火を起こすための道具」です。
「ロッド(ファイヤースチール)」と呼ばれる、マグネシウムやフェロセリウム(鉄とセリウムの合金)の棒を、「ストライカー」と呼ばれる板のようなパーツでこすることで火花を散らし、火口と呼ばれるティッシュ・枯葉・麻紐などに火を移しやすくする道具です。
そのファイヤースターターと火吹き棒が一緒にカラビナや紐にぶら下がっていて、ペンダントのように首からぶら下げられるものなどがあります。
火吹き棒の使い方
火吹き棒は、ただむやみに息を吹き掛ければいいというものでもありません。無駄に息を吹き続けると疲れますし、灰や火の粉を巻き起こしてしまうことも。
効果的に火を起こすためには、正しい使い方をするように気を付けましょう。
【火吹き棒を使う効果的なタイミング】
1. 薪や炭を空気がいき渡るように並べたら、細い枝や麻紐などの火口に火を付けます。ある程度、炭や薪に火が移ったら、火吹き棒で空気を送りましょう。
2. 空気を送り込むのは、炭や薪をめがけてではありません。酸素が循環できるように、炭や薪の周囲に送りましょう。
3. 空気を送りこむときは、火の粉や灰が撒き散らないように、ゆっくりと息を吐くようにしてください。
4. 向きや火との距離にも気を付けましょう。火吹き棒の先端は火元にくっつけず、15cmほどの距離をとってください。
5. 焚き火を起こすときだけではなく、消えかかった炎をリカバリーしたいときにも使います。
TOKYO CRAFTSの火吹き棒「マグナブラスター」
「マグナブラスター」は、一般的な火吹き棒より、もっと効率的に口を直接付けずに大量の空気を送れるものを……という想いから開発されました。
空気を大量に送り込める太めの筒になっているため、息苦しさや疲れを感じることなく、長く空気を送り込むことができます。
また、熱気の逆流を防ぐ構造なので、初めて火吹き棒を使用する人でも安心して使えるでしょう。
長さ50cmで重量は約125gと軽量、3ピースに分解でき、付属のケースにコンパクトに収納可能です。
また、筒が太く分解できるので内側のメンテナンスが楽にできるのもメリット。常に清潔感を保てます。ブラックカラーのアルミニウムで、シンプルかつモダンなデザインです。
火起こしが楽になる火吹き棒はキャンプに持って行くのがおすすめ
焚き火やBBQはキャンプの楽しみの一つです。しかし、火起こしするのに時間や手間がかかってしまったり、途中で火が消えてしまうとリカバリーが面倒です。
時間をかけず効率的に焚き火を起こしをして、ちょうどいい具合に燃やし続けるためには、火吹き棒は必須アイテムです。
今回ご紹介した選び方のポイントを参考にして、自分が使いやすい火吹き棒を選んでください。