コットを「軽さ」で探すと、1kg台から3kg台まで出てきます。同じ「軽量コット」でも、1kg台と3kg台では別のギアと言っていいほど中身が違います。
違いは、軽くするためにどこを削ったかです。フレームの素材を変えたのか、脚の数を減らしたのか、そもそもサイズを小さくしたのか。削った場所によって、寝心地も、使える体格も、使える場面も変わります。
この記事では、重量帯ごとの見方、軽量化で削られている5つの場所、そして自分の体格と使い方に合う1台の見つけ方を整理します。
軽量コットは何kgから? 重量の見方
「軽量コット」に公式な基準はありません。同じ重さでも「軽量」と表記されている製品とそうでない製品があります。カタログの「軽量」という言葉ではなく、必ずg単位の数字で比べてください。
この記事では、比べやすくするために1kg台・2kg台・3kg台の3つに分けて整理します。
もうひとつ注意したいのが、メーカーによって「重量」の測り方が違うことです。
| 表記 | 含まれるもの |
|---|---|
| 本体重量 | フレーム+生地のみ |
| 総重量/製品重量 | 本体+収納ケース+付属パーツ |
| ハイ・ロー2WAYの場合 | ロー状態か、ハイ用の脚を足した状態か |
同じ製品でも、どの状態の数字を載せているかで印象が変わります。比較表を作るときは「どの状態の数字か」を揃えてください。
コットそのものの種類や、寝袋・マットと組み合わせた寝床づくりはキャンプ用コット/ベッドのページでご紹介しています。
重量帯別|1kg台・2kg台・3kg台で何を確認するか
重量を1kg台まで落とすには、後述する5つの手段を複数組み合わせる必要があります。どれを組み合わせたかは製品ごとに違うので、帯だけで判断せず、カタログのスペックで確認してください。
| 重量帯 | 主な用途 | まず確認したいこと |
|---|---|---|
| 1kg台 | 徒歩・バックパック・登山 | 使用サイズ(長さ・幅)と耐荷重。サイズを削って軽くしている場合があるため |
| 2kg台 | ソロ全般・バイク・車載を減らしたい | サイズを維持したまま軽いか。維持している場合、素材と構造にコストがかかっている |
| 3kg台 | オートキャンプ中心 | 収納サイズの3辺。積載に余裕があるなら寝心地と価格のバランスを優先できる |
1kg台を検討するとき
もっとも軽い帯です。徒歩やバイクで荷物を減らしたい方には強力な選択肢になります。
一方で、軽さを長さや幅で稼いでいる製品もあるため、身長が175cmを超える方、寝返りが多い方、コットの上で着替えや荷物の一時置きをしたい方は、使用サイズを必ず確認してください。耐荷重も、体重に荷物と座ったときの一点荷重を足して足りるかを見ておきます。
2kg台を検討するとき
フルサイズ(長さ190cm前後・幅60cm以上)を保ったまま2kg台に収めるのは、構造的にもっとも難易度が高い領域です。
サイズを削れないぶん、素材と構造で軽くする必要があります。高強度のアルミ合金を使う、パイプの肉厚を落として径で強度を稼ぐ、荷重を分散させて1本あたりの負担を減らす、といった手段が必要になり、その分コストも上がります。
体格を妥協せずに軽さも取りたい方は、この帯を中心に探すことになります。
3kg台を検討するとき
生地に厚みを持たせやすい帯です。オートキャンプが中心で積載に余裕があるなら、寝心地・耐久性・価格のバランスで選べます。
軽量コットは、どこを削って軽くなっているのか
ここがいちばん大事な部分です。重量は仕様ではなく、設計判断の結果です。同じ2.9kgでも、削った場所が違えば別物になります。
軽量化の手段は、大きく5つに分かれます。
① フレームの素材
アルミ合金にはグレードがあります。一般的な6000番台に対し、7000番台(A7075など)は同じ強度をより少ない肉厚で出せるため、フレームを軽くできます。原価は上がりますが、サイズや耐荷重を削らずに軽量化できるのが利点です。
「軽い=弱い」ではなく、素材で軽くしたのか、細くして軽くしたのかを見分けることが重要です。
② パイプの径と肉厚
同じ素材でも、パイプを細く・薄くすれば軽くなります。ただし、たわみが増えて寝たときの沈み込みが大きくなり、荷重が集中する部分の変形リスクも上がります。
③ 脚の本数
軽量コットで最も差が出るのがここです。
脚が少ないほど軽くなりますが、1本あたりが支える荷重は増えます。体重70kgの人が寝たとき、単純計算では脚4本で1本あたり約17.5kg、脚12本で約5.8kgです。
実際には腰まわりに荷重が集中するため均等にはなりませんが、接地点が多いほうが1点あたりの負担が小さくなる関係は変わりません。
接地点が少ないと、柔らかい地面や砂地で脚が沈む・傾くという現象が起きやすくなります。逆に接地点が多いコットは荷重が分散するため、地面を選びにくく、軋み音も出にくくなります。

④ 生地(デニール)
生地が薄いほど軽くなりますが、テンションをかけたときの張りが弱まり、長期使用でのたわみが出やすくなります。TOKYO CRAFTSでは、携行性と耐久性のバランス点として600D前後を採用しています。
⑤ サイズそのもの
もっとも手っ取り早い軽量化が、短くする・狭くすることです。カタログの重量だけを横に並べると、この差は見えません。重量と使用サイズは必ずセットで見てください。
軽量コットのデメリット|買ってから気づきやすい5つ
- 底冷えしやすい……地面から浮くぶん、下から空気が通ります。インフレーターマットや毛布を1枚敷くだけで大きく変わります。
- 幅が合わないと落ちそうな感覚が出る……寝返りを打つと端に近づきます。TOKYO CRAFTSでは幅60cm以上を目安にしています。寝返りで肩が端から出ない幅がここだからです。
- 耐荷重の余裕が足りないことがある……体重だけでなく、座ったときの一点荷重と荷物の重さも足して考えてください。
- 設営に力がいる……生地を強く張る構造ほど、最後のフレームをはめる工程が硬くなります。テンションの逃がし方が分かれば軽くなります。
- 軋み音……接地点や関節が少ない構造ほど、寝返りのたびに音が出やすくなります。
軽量コットの選び方|確認したい6項目
重量以外に、必ず並べて見てほしい項目です。目安の数字はTOKYO CRAFTSがコットを選ぶときに使っている基準です。それぞれ理由を添えています。
| # | 項目 | 見るべき理由 | TOKYO CRAFTSの目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 使用サイズ(長さ・幅) | 身長より短いと足が出る。幅が狭いと寝返りが窮屈 | 長さ=身長+15cm以上/幅60cm以上 |
| 2 | 耐荷重 | 体重+荷物+座ったときの一点荷重で決まる | 体重+30kg以上の余裕 |
| 3 | 脚の接地点数 | 少ないと柔らかい地面で沈む・軋む | 8点以上 |
| 4 | 高さ(ハイ/ロー) | 低いだけだとベンチに使えず、高さ固定だとテントを選ぶ | 2WAY(高さの選び方はこちら) |
| 5 | 収納サイズ(3辺) | 荷室・バイクに積めるかは重さでなく3辺で決まる | 長辺65cm以下 |
| 6 | 重量表記の条件 | 本体のみか、収納ケース・ハイ用の脚まで含むか | 総重量で比較する |
それぞれの理由
- 長さ=身長+15cm以上……枕を使うと頭側が5〜10cm埋まるためです。ぴったりのサイズだと足が出ます。
- 体重+30kg以上の余裕……寝るときの荷重より、腰を下ろした瞬間の一点荷重のほうが大きくなるためです。
- 接地点8点以上……1点あたりの荷重が小さいほど、柔らかい地面で沈みにくくなるためです。
- 2WAY……テントの天井高で選べなくなるのを避けるためです。
- 長辺65cm以下……バイクの積載と、車の荷室の側面に差し込める寸法がこのあたりだからです。
- 総重量で比較……本体だけの数字とケース込みの数字を並べても比較になりません。

使い方から逆算する早見表
| 使い方 | 推奨重量帯 | 優先項目 |
|---|---|---|
| 登山・徒歩キャンプ | 1kg台 | 重量・収納サイズ |
| バイク・自転車 | 1〜2kg台 | 収納3辺・耐候性 |
| ソロオートキャンプ | 2〜3kg台 | サイズ・2WAY・寝心地 |
| ファミリーで複数台 | 2kg台 | 積載効率・耐荷重 |
| 車中泊・ベンチ兼用 | 3kg台 | ハイ高さ・耐荷重 |
TOKYO CRAFTSの軽量コット「UTコット」
ここまでの基準で、TOKYO CRAFTSがどこを削り、どこを残したかをお伝えします。
UTコットは2.86kgです。
削らなかったのは、使用サイズと耐荷重です。長さ190cm×幅64.5cm、耐荷重150kg。フルサイズを保ったまま2kg台に収めるため、フレームにA7075を採用し、脚は3ユニット×4本=12点で床を支える構造にしています。1点あたりの荷重が小さいため、柔らかい地面でも沈みにくく、寝返り時の軋みも出にくい設計です。

| 項目 | UTコット | UTコットメッシュ |
|---|---|---|
| 重量 | 2.86kg | 約3kg |
| 使用サイズ | 190×64.5cm | 約190×64.5cm |
| 収納サイズ | 63×17.5×17.5cm | 約63×17.5×17.5cm |
| 耐荷重 | 150kg | 120kg |
| 高さ | ハイ39cm/ロー19cm(2WAY) | ハイ39cm/ロー19cm(2WAY) |
| 生地 | 600Dポリエステルリップストップ | 150Dポリエステル+メッシュ |
※耐荷重は測定値であり保証値ではありません。2人以上で腰掛けたり、端に重いものを乗せないでください。
※スペックは各商品ページの仕様欄より。製品は予告なく仕様を変更する場合があります。
収納時は63×17.5×17.5cmと細長い形になるため、荷室の側面やシート下の隙間に差し込めます。ショルダーベルト1本とカラビナ2個が付属し、肩に掛ければ両手が空きます。(UTコットの詳細はこちら)
UTコットメッシュは、シートに通気性の高いメッシュを採用した夏向けモデルです。使用サイズ・収納サイズはUTコットと共通で、重量は約3kg、耐荷重は120kgになります。通気を優先しているため重量はUTコットより少し増えますが、夏の蒸れが気になる方はこちらが快適です。
2.86kgが自分にとって軽いかは、1泊すれば分かります
カタログの数字を見比べても、「2.86kgが自分にとって軽いか」「190cmが自分の身長に合うか」は判断しきれません。
TOKYO CRAFTSではUTコットのレンタル(3,000円)をご用意しています。購入前に、実際のキャンプで1泊試せます。コット用テントと合わせて試したい方には、タルビス/UTコットのセットレンタル(7,000円)もあります。
軽量コットのよくある質問
軽量コットは何kgからですか?
明確な基準はありません。カタログの「軽量」という表記ではなく、g単位の数字で比べてください。その際、本体だけの重量か、収納ケースやハイ用の脚を含む総重量かを揃えて比較します。
軽量コットは寝心地が悪いですか?
重さそのものではなく、使用サイズ・生地の張り・脚の接地点数で決まります。フルサイズと接地点数を維持した軽量モデルであれば、標準重量のコットと同等の寝心地が得られます。
ローコットとハイコット、軽いのはどちらですか?
脚が短いローコットのほうが軽くなります。2WAYモデルはハイ用の脚パーツぶんだけ重くなりますが、ベンチとして使えるため汎用性が上がります。
軽量コットは冬でも使えますか?
使えますが、地面から浮くぶん下から冷えます。インフレーターマットや毛布を1枚敷いてください。
バイクに積める軽量コットの目安は?
重量よりも収納時の3辺で決まります。TOKYO CRAFTSでは長辺65cm以下を目安にしています。